こんにちは !
今回は 前回に続いて
スポーツ障害の一つでもある
『 関節ねずみ 』 について
触れてみたいと思います!
「 関節鼠 」 「 joint mice 」 「 Gelenkmaus 」
などともいわれますが正式には
「 関節遊離体:kansetsuyuuritai 」
と呼ばれます。
専門書によりますと
「 関節腔内に遊離する固形小体をいう・・ 」
となっています。
先ずは一般的な「関節」の構造について
お話ししましょう!
2つ、または複数の骨で構成される
「蝶番」です。
関節を作る骨のうち、凸側を「関節頭」
凹側を「関節窩」と呼びます。
関節頭と関節窩の端には薄い軟骨層が
あります。
この両者が凸と凹の形で治まり、
その周りを袋状の組織(関節包)が覆います。
関節包でつつまれた内側を「関節腔」と呼び
その中は「滑液」という液体で満たされています。
滑液はとても大切な液体で
関節腔の内側を潤滑にして滑りを良くし
また、関節軟骨に栄養を与えます。
この「滑液」で満たされた関節腔の中に
存在する小さな「かけら」が『 関節ねずみ 』です。
小さい物は 砂粒大から ゴマ粒大、米粒大、
と大きさはさまざまです。
関節遊離体は ざっくりと分けると2つ、
① 外傷性関節遊離体
② 病的関節遊離体
に分類されます。
① 外傷性関節遊離体
一回の大きな外傷によって、関節の中の
骨または軟骨などの一部が 欠けて出来たもの。
また、軽い外傷が何度も何度も同じ部位に起きて
その部分が壊れ、また新生され、を繰り返すうちに
その部分の軟骨が下から何回も持ち上げられ
遂には一部が遊離する場合があります。
(Konig の離断性骨軟骨炎)
好発部位は 膝関節の内側、
肘関節の上腕骨小頭部(野球少年の投手の
肘など・・)といわれています。
② 病的関節遊離体
osteochondromatosis 、(関節内の色々な組織から
骨、または軟骨性の小体が造られる事があります)
また、変形性や神経性の関節症などから出来た物、
慢性関節炎などの際生じた米粒体、
結合織の離断したもの・・・等々
病気が原因で出来た遊離体をいいます。
症状としては 関節の腫れ、鈍痛、倦怠感、
などがありますが、普段全く無症状の物も
たくさんあります。
特徴的な症状としては、遊離体が関節面
の中に滑り込むように嵌入すると
突然激痛をきたし、痛みで関節を全く動かせず
ロックされた状態になります。
関節をすこしづつ動かし遊離体が
関節面から脱出すると
噓のように楽になります。
治療としては 今のところ
遊離体の摘出など
専門医による 外科的な処置しかありません。
予防法も殆どありませんが
持病として関節ねずみをお持ちの方は
定期的に専門の医師のもとで
経過観察をされる事をお勧めします。
「 関節ねずみ 」
残念ながら 鍼灸などの理学療法は
殆ど無効です。
疑いのある方は専門の整形外科の先生を
受診して下さい!!!
今回も最後まで当院ブログをお読み頂き
ありがとうございました。
今しばらくは じめじめとした
梅雨日が続きますが
無理せず 健やかにお過ごしください!!!