捻挫の定義:
「外力の作用により、関節固有の生理的運動範囲を越えた過度の
運動を強制されて、骨以外の軟部組織を損傷し、なおかつ
関節面の相互の位置関係が、正常位に保たれているもの、、」
つまり 各々の関節が本来持っている動き(生理的可動域)を
越える力が関節に働いた時、骨以外の部品(軟部組織:靭帯、腱、
骨端軟骨、関節包、滑膜、など)を傷つけ なおかつ 互いの骨どうし
の位置関係が正常なもの、、となります。
この時、骨を傷つけてしまうと「骨折」となり、
互いの位置関係が正常でない時は「脱臼」となり、
骨を傷つけ、位置関係も異常な時は「脱臼骨折」となります。
捻挫が最も起こりやすいのは 足関節(足首の関節)です。
その多くが足を着いた時 足首が内側に捻られ(内反)
外くるぶしの前方にある靭帯(前距腓靭帯:ぜんきょひじんたい)
を傷つけてしまう(足関節内反捻挫)というものです。
捻挫で最も傷つく部位が靭帯であり、この靭帯の損傷の程度により
軽度~重度まで 3段階に分類されます。
1.軽度(第一度)
靭帯がわずかに傷ついた程度で 明らかな断裂や不安定性は無く
わずかに腫れや痛みを伴います。
2.中等度(第二度)
靭帯が部分的に断裂をきたし 関節の不安定性が有り 腫れ、痛み、
が顕著に現れます。
3.重度(第三度)
靭帯は完全に断裂し、腫れ、痛み,熱、が著しく 皮下出血 及び
関節の不安定性は著明です。
症状:
自発痛(何もしてなくても痛い)、圧痛(押すと痛い)、運動痛
(動かすと痛い)、などが有り 強制された運動方向に関節運動を
行うと疼痛が強まり、反対方向ではやや軽減します。(けがした時
と同じ方向に捻じると痛みが強くなり、逆の方向では痛みは軽い)
損傷を受けた軟部組織の疼痛、腫脹、などの為、運動制限が
現れます。
処置:
内出血を抑え、腫れを最小限にとどめる為に 受傷後ただちに I-C-E の
処置をします。
受傷後 なるべく早期に I-C-E 処置をされると 怪我の
回復が速いと云われています。
次回は I-C-E について 詳しく説明します!