最近早朝や夜間、冷え込んできたせいか、風邪をひいて
鼻声の患者さんがよく来院されます。
風邪やアレルギー性鼻炎などで鼻水やくしゃみなどが続くと、
鼻づまりを起こしてきます。
これは鼻の奥にある鼻粘膜内の血管が充血(動脈血が通常より
多く集まっている状態)して腫れ、空気の通り道が、せまくなっている
せいで起きます。
この血管を収縮させ空気の通り道をひろげてやると楽になります。
こんな時に良く効くのが「天柱:てんちゅう」というツボです。
場所は 頚の後ろでうなじの生え際に有ります。
座った姿勢で親指を立てた状態で他の4本の指を組みます。
そのまま手枕をするように頭の後ろに持って行きます。
そのとき ちょうど親指の腹が当たる処、それが「天柱」です。
中国の古い書物によると、ツボの取り方としては
「項後大筋の外,髪際にあり、中行を去る事一寸三分にあり(素問)」
となっています。 また「天柱」穴の主治として、
「頭旋、脳痛、頭風、鼻、香臭を知らず、頭重項抜くが如きを主る
(十四経和語鈔)」。 つまり 「頭(頚?)がかしいで、頭の中が痛く、
また 頭が割れるように痛く、鼻が利かず匂いがわからなく、
頭が重くてうなじが抜けるように辛い、」時に良く効きますよ と
いっています。 (かなりつらそう!)
このツボを親指の腹で軽く押した姿勢で、ゆっくりと頭を起こしながら
押してみてください。(心地よいくらいの圧で!)
数回押してると、不思議と鼻通りが良くなっていきます。
ちなみに「天柱」の名前の由来は、天部(頭)を支える大黒柱、というところから
きており、頭で最も重要なツボであり、特に中高年層の血圧の安定には
不可欠なツボと云われています。