今回は 鍼灸施術で逆子を治しましょう、
というお話!
以前にも 「 お灸で逆子を治す! 」 という
投稿をした事があります。
おおむね 同様の内容なのですが
今回は 実録版でお届けします。
1週間ほど前の夕方の事です。
20代後半の女性の患者さんがみえられました。
お話を伺うと、
お灸で逆子の治療をして欲しい との事
当院の昔からの患者さんのご紹介でした。
さっそく 予診をとらせて頂きました。
現在妊娠8か月、9月中ごろの出産予定。
特に既往の疾患も無し、
妊婦さんに特有の 高血圧、浮腫、尿たんぱく
なども無く いたって健康な妊婦さん!
2週間前の産婦人科の検診で
逆子と判明したようです。
( 高血圧、浮腫:むくみ、尿たんぱく、の
どれかの症状が 妊娠後に出現したものを
妊娠中毒症といいます。 現在は呼び方が変わり
「妊娠高血圧症候群」といいます。 )
腰痛も足のだるさも無いので、( 腰の痛み,
かたこり、足のかったるさ・・などがある場合は
まず そちらのマッサージなどを行って
リラックスしてからお灸の施術に入ります )
どこのツボに、どんな姿勢で、
どのような治療 ( 主にお灸 ) を行うのか、
又 使うお灸はどういう物か、などを
じっくりと説明し、
座った状態で自分の目と身体で試してもらう為に
親指の付け根にある 「 合谷:goukoku 」
のツボにじっさいにお試しの灸をやらせて頂きました。
( 初めての患者さんに対してのこの説明は
我々の仕事では とても大切な事です。
患者さんによく説明をして よく理解、納得して
もらう事で その後の治療の成果に
大きくかかわってきます! )
さっそく本番のお灸施術にはいります。
当院で行う逆子のお灸に使うツボは
おおむね 腰部と下腿。
まずは 腰部から・・
逆子治療の患者さんは 大体7か月過ぎなので
もうかなりお腹も目立ち、うつ伏せは無理なので
側臥位 ( 横向き )で行います。
横向きになってもらって頭を高くします。
色々な形、大きさ、の枕をいくつも使って
なるべく安定して、リラックスした姿勢を
とってもらいます。
腰のツボに 「 円筒灸 」を行います。
「 腎兪 : jinnyu 」
「 脾兪 : hiyu 」
「 大腸兪 : daichouyu 」
上記のツボに 左右で6か所 行います。
円筒灸は隔物灸の一つで
厚紙で作られた筒の上にもぐさを載せた
物で 筒の皮膚に当たる側には 糊 がついて
いるので横向きでも大丈夫なのですが、
立ち上っていく煙が熱いため、
注意が必要です。
一度に 6か所点火すると熱いので
一つずつ点火します。
患者さんに不安を感じさせないために
お灸の施術中は ずーっとそばについていて
いろいろな話( おもに質疑応答 )をします。
もし熱さが我慢できないようであれば
直ぐに取ります。 ( 常にベッドサイドには
灰皿を用意しておきます )
次に下腿 ( 膝から下部分 )・・
ベッドに仰向けで寝てもらいます。
枕をいくつか使用して
背中から頭にかけて傾斜をつけ
頭を高くします。
膝の下に大きな三角枕を入れて
膝を直角に近いくらいに曲げます。
常に妊婦さんがリラックスできて
辛くない姿勢で行います。
足のツボに 「 糸状灸 」 を行います。
「 三陰交 : saninkou 」
「 至陰 : shiin 」
「 隠白 : inpaku 」
「 足の臨泣 : ashinorinkyu 」
糸状灸は その名のとおり 木綿糸を
2~3本 撚りあわせたくらいの太さで
高さは1~2ミリくらいのお灸です。
お線香で点火すると、ほんの一瞬
「 チリッ!! 」とした熱感があり
ほとんど痕がのこりません。
今回は一つのツボに 9壮 ( お灸は
1壮、2壮、と数えます )づつ
お灸をすえました。
糸状灸は少々熱いこともあるので
灸の火が皮膚に到達する直前に
術者の指先で押して消します。
( 終わると術者の指先は真っ黒です )
以上の処置を終わった後、患者さんの
お腹をさわらせて頂きました。
赤ちゃんの頭は、お母さんのみぞおちより
やや左よりにあり、まだ 逆さのままですが
足を元気に動かしていました。
( 下腿のお灸の時より 横向きで腰の
お灸をしている時に 元気よく
動いていたようです )
今回は患者さんが 鍼灸院にくるのも
鍼灸施術を受けるのも 全く初めてとの事で
かなり説明に時間をかけたので 1時間くらい
を要しましたが、施術そのものは20分
ほどだったと思います。
最初みえられた時は こわばった
表情をされていましたが、いろいろと
話をして やや安心したお顔で 数日後の
来院予約をされて 帰っていかれました。
それから2日後の午後の事・・・
患者さんから電話を頂きました。
施術翌日の産婦人科の検診で
赤ちゃんは正常位置に落ち着いて
いるとの事でした。
よかった~!!
今回は うまくいって 1回の治療で
成功しました。 ( 時々こんな風にうまく
行く事もありますが・・・ )
通常は 数回の治療を要します。
来院される妊婦さんはだいたい
7か月以降の方が多いのですが、
早めの方が 成功率は高いようです。
産み月に近づくほど 難しくなります。
が、しかし、あまり早いうちだと
治っても また逆子にもどってしまう事
もあります。
治療をご希望の方は
産婦人科の先生、助産婦さんなどと
良く相談のうえ お越しください!!!
今回も最後まで当院ブログ 読んで頂き
ありがとうございました。
最近 雑事にかまけて なかなか投稿も
間遠くなっていますが これからも宜しく
お願いいたします。
猛暑で体調を崩されている方がたくさん
いらっしゃいます。
水分補給を忘れずに 冷房を上手に使って
酷暑を 乗り切ってください !!